【さぽている育成日記】鮮やかに萌える緑

かつて、ほたる横丁を二人で歩いていた時に出会った一人の少女。
長い銀髪と青い目をした少女は、何かを探すかのようにあたりをキョロキョロしていた。
「ねぇ、父上。あの人迷子か何かなのかな?」
「何をバカな。ちっちゃな子供ではあるまいし、あの年齢で迷子なんてそんなことはありえないよ。」
いったい、何を言ってるんだと言う口調で返答したオレに
「でもでも、ますます落ち着きなくしてオロオロして、今にも泣き出しそうだよ」
と物凄く心配そうに言って来る。
まぁ確かに迷子じゃないとはいえ、この場所であぁいういかにも落ち着きを無くし所在なさげにしているのを無視するのは心が痛む。
なので、ちょっと声をかけてみたのだが……。
……

まさか本当に迷子だったとは……orz
いや、当人は
「迷子なんかじゃありません。歩いていた先から勝手に道がなくなっただけです」
とか言い張っていますが、どう見ても迷子です、ありがとうございました。
それに話を聞く限り、前後に知り合いに挟まれていたにもかかわらず迷子になっているというのだから、この娘は一体どういう能力の持ち主なんだ。

暫く一緒に彷徨った後、迷子の娘さんの連れが彼女を探しているとこに出くわした。
向こうの方でも大騒ぎになっていたようで、無事再会できて良かったと言うところか。
それにしても、連れの一人の髪の長いレーヴァテイルが心配していて困っていた事を迷子の娘に言っていたんだが、何か時折とんでもない言葉俗に言う毒舌を織り交ぜているのはどういうことなんだろうか?
仲が悪い?
いやいや表面上はそうは見えないし、言われた方も毒舌言われたと言う自覚も無いようだし・・・・・・。
いやいや、他人の仲間の事に深く関わりあうべきではないだろう。
それが、探索者としての最低限のルールだ。


さて、別れ際に迷子の娘さんがうちの娘に一つの詩を教えた。
それはかつて伝説の民「月奏」が紡いだと言う曲。
そんな貴重の詩を惜しげも無く教えてくれるあの娘は一体何者だったんだろうか。