【さぽている育成日記】夢をかなえる

今日は少しばかり彼女を驚かせようと思い、ある企みを実行した。

俺につれられて彼女がやってきたのは、夏休み中の学校。
なぜこんなところに連れて来られたのか訳がわからずに目を丸くする彼女に、俺は一冊のパンフレットを手渡す。
それはこの学園の一日体験入学の案内書。
たった一日だけだが、彼女に学園生活を送ってもらいたいと俺なりの気遣いなのだが……。
「うん、ありがとう、父上。とっても、とぉ〜ってもうれしいよ♪」
目を輝かし、屈託の無い笑みを浮かべて、彼女はそういった
どうやら、相当気に入ってくれたようだ。

その後、実際の授業体験を身をもって体験した彼女。
どんな些細な事にも感心して、本の中だけでない、実際の体験を知識として身に付けていってるようだ。
ただ、先生が冗談めかして言った「七不思議」の話が相当怖かったようで、俺の腕にしがみついてきたのだが……。
人前でそういう行動は恥ずかしいから止めて欲しかったんだがな……。


束の間の学園生活を楽しんだ彼女が、帰宅後に俺に何かプレゼントしてくれるとのことらしい。
その準備とやらで、自分の部屋に篭って数十分ほどして、彼女が部屋から出てきた。
その格好は……。
「じゃぁ〜ん。えへへぇ〜父上こういう格好すきなんでしょ?」
とはにかんだ笑顔で聞いてきやがりました我が姫君の格好は、どっからどうみても巫女さんでした。
「それはどういうことかな?」
内心ドキマギしつつ、努めて冷静を装い聞き返す。
その台詞を聞いた姫君様は、ちょいと小悪魔的な笑みを浮かべてのたまわれた。
「だって、お祭りに行ったときに、何時も巫女さんの方を見てたり、時たま鼻の下を伸ばしたりしてるし、それにこの間父上のベットの下から……」
続きの台詞を言わせまいと、2秒で彼女の口を塞ぐ。
「ハ…ハシタナイセリフハキンシデスヨ?」
努めて冷静に言ったつもりが、棒読み台詞になってしまった。
「あはははぁ、おかしいんだ父上ってば」
本当に面白そうに彼女は笑い
「それじゃあ、黙ってる代わりに貸し1つだよ♪」
といった。
どうやら、相当大きな貸しになりそうだ……。