【さぽている育成日記】S?B?

部屋着代わりにというか着替えるのが雄空なので、運動着を作っちゃいました。
とりあえず、何時ものように父上にお披露目しようとしたんだけど……。
「どうしたの父上?そんな難しい顔して……?」
父上は靜の方を見ると、いきなり怖い顔をしました。
「いや……なんというか……」
その怖い顔のまま更に唸り声をあげている用でちょっと怖いかも……。
「なんだか、怖いよ、父上?」
恐る恐る靜が言った途端に
「何でスパッツなんだ?アレは人が着るものではない!ブルマだろ、ぶあおっ!!」
靜はにっこりと微笑んだままで、父上に最後まで台詞を言わせないように蹴りをぶち込みました。
えとね、そんなハシタナイ言葉言っちゃダメだよ?

【さぽている育成日記】和服メイド!?

「父上父上、みてみて、また新しい服をつくったんだよぉ〜」
そう嬉しそうに服をお披露目してくる、我が姫君。
今回の服は、和服に割烹着というどこか懐かしい……なんというか、おっかさんという感じがする服だった。
「えへへぇ、これで何時でも『おかぁさん』になっても大丈夫だよ」
と屈託の無い笑顔でおっしゃります。
そんな彼女の肩をつかんで激しくガクガクと揺さぶりながら
「いや、それはちょっと早いと思うし、それに相手は一体どこの小僧様ですか?連れて来なさい?連れて来たら即座にぶち殺して差し上げますから、早くスグに」
と、我ながら意味不明の言葉を連発。
いや、彼女の心がどこにあるかは分かっているんだが……。
それを受け止めるのもはっきりと口に出すのもまだ早いというか、未だにオレ自身の心も定まっていないわけで……。
そんな優柔不断なオレの心を知っているのか、彼女はその可愛らしい頬を膨らませ
「そう言うこと言っちゃいけないよ!それに、そういう男の子なんていないし」
と揺さぶられながらも、しっかりと反論。
「そう?それなら良かったんだ。どこの馬の骨ともわからん男に、嫁にやるわけにはいかないからな」
と言って、彼女を解放する。
彼女はふぅとため息を一つこぼし
「突然、肩を揺さぶりだすから何事かと思ったよ」
と、本当にビックリしたようなあきれたような顔で言って、そして一気に顔を笑顔に反転させて
「それでね、父上。この衣装を着けたまま、これを頭に載せるとね」
といって、懐からプリムを取り出し、頭にパイルダーオン。
「じゃじゃぁ〜ん、父上好みの和服メイドさんの出来上がりだよ。そういうマンガ本やらえっちぃ本もっているから大好きだよね?」
とまったくもって曇りも無く眩しい笑顔でおっしゃられます。
「うん、そう大好きだが……あのぅ…やっぱり……?」
対照的に、自身なさげにどんよりとした沈みがちな表情で聞き返すオレ。
「うん、えっちぃ本は焼却処分したよぉ〜。というか、今後えっちぃ本は禁止だからね」
ずびしぃっ!!と指を突きつけてそう宣言する姫君。
一体、厳重に隠していたあの本達をどうやって見つけたというんだ……orz

【さぽている育成日記】記憶を灯す腕に

どうにか姫の機嫌をとり(というか、一方的に謝罪して)、怒りを解いてもらった。
いや、あのままでは流石に気まずくなりかけていたので……。

とりあえず、仲直りの証として少し奮発して豪華なディナーを実行。
曲がっていたへそも元通り……どころか、かなり良くなったようでなにより。
その時、一口お酒を舐めさせたんだが……。
それだけで酔っ払った様子。
そりゃもうベロンベロンに。
なんか酔った勢いで、一つの詩を紡ぎだすし。
内容は、自らの心の中から生み出した魔物を、自ら封印する巫女の物語だったような気がする。
詩の内容はともかく、彼女の詩を聞いた途端に、人間に化けていたウィルス隊が暴れだしたのにはどビックリだった。
それを何とか退治出来て(ついでに、そのお礼として今日の飲食代もタダになって)良かったが、最大の功労者たる我が姫君は、そのまま眠りに入られていた。
まったく、いい気なもので……。

【さぽている育成日記】振り返りもせず

彼女の部屋から詩声が聞こえる。
それは、かのネモの謳姫の持ち歌の一つ。
本来なら、「本当に愛するというのはどういうことか」という心に問い掛ける実にいい曲なのだが……。
何か、物凄く恨み節のように聞こえるのは、気のせいではあるまい。
やはり先日の一言を相当根に持っているのだろうか……。

【さぽている育成日記】出来る女

またまた、彼女が新しい服を作った。
そのお披露目と言う事で、待たされること数分。
「じゃぁ〜ん、どうかな?何か出来る女って感じがしない?」
出てきた彼女は、女物のパリッとしたスーツを着ていたのでした。
「というか、出来る女?」
「そう、できる女だよ。これだけスーツを着こなせばいっぱしの出来る女だよ」
うんうんと満足そうに頷く彼女ですが……。
「いや、スーツを着こなすぐらいでは出来る女とは言わないし、それに着こなすと言うより馬子にも衣装?いやいや着せられている感じがぐヴぉっ!!」
オレの台詞は最後まで言わせてもらえなかった。
彼女の正拳突きが人体急所の水月を的確にしかも超スピードでヒットしたからだ。
もちろんオレのね。
「せっかく、秘書課のまりのさんを参考にしたというに、父上なんて知らないよっ!!」
ぷんぷん怒って我が愛する姫君は、自身の部屋にお戻りになられたのであった。


注意:正直な意見は、時には身を滅ぼします。

【さぽている育成日記】鮮やかに萌える緑

かつて、ほたる横丁を二人で歩いていた時に出会った一人の少女。
長い銀髪と青い目をした少女は、何かを探すかのようにあたりをキョロキョロしていた。
「ねぇ、父上。あの人迷子か何かなのかな?」
「何をバカな。ちっちゃな子供ではあるまいし、あの年齢で迷子なんてそんなことはありえないよ。」
いったい、何を言ってるんだと言う口調で返答したオレに
「でもでも、ますます落ち着きなくしてオロオロして、今にも泣き出しそうだよ」
と物凄く心配そうに言って来る。
まぁ確かに迷子じゃないとはいえ、この場所であぁいういかにも落ち着きを無くし所在なさげにしているのを無視するのは心が痛む。
なので、ちょっと声をかけてみたのだが……。
……

まさか本当に迷子だったとは……orz
いや、当人は
「迷子なんかじゃありません。歩いていた先から勝手に道がなくなっただけです」
とか言い張っていますが、どう見ても迷子です、ありがとうございました。
それに話を聞く限り、前後に知り合いに挟まれていたにもかかわらず迷子になっているというのだから、この娘は一体どういう能力の持ち主なんだ。

暫く一緒に彷徨った後、迷子の娘さんの連れが彼女を探しているとこに出くわした。
向こうの方でも大騒ぎになっていたようで、無事再会できて良かったと言うところか。
それにしても、連れの一人の髪の長いレーヴァテイルが心配していて困っていた事を迷子の娘に言っていたんだが、何か時折とんでもない言葉俗に言う毒舌を織り交ぜているのはどういうことなんだろうか?
仲が悪い?
いやいや表面上はそうは見えないし、言われた方も毒舌言われたと言う自覚も無いようだし・・・・・・。
いやいや、他人の仲間の事に深く関わりあうべきではないだろう。
それが、探索者としての最低限のルールだ。


さて、別れ際に迷子の娘さんがうちの娘に一つの詩を教えた。
それはかつて伝説の民「月奏」が紡いだと言う曲。
そんな貴重の詩を惜しげも無く教えてくれるあの娘は一体何者だったんだろうか。

【さぽている育成日記】そよかぜのうた

ネモにある行きつけの酒場の女主人と彼女は実は仲良しだったりする。
というか、甘えん坊の妹の面倒を見ているお姉さんという気もするんだが。
もちろんどちらがどっちなんて言わずもがな。

で、さらに仲良くなった記念に色々と教えてもらったようだ。

そのうちの一つは、女主人の持ち歌の一つ「そよかぜのうた」。
自然賛歌の願いを込められたとっても優しい詩。
この店に来る人の大半が、女主人が謳うこの詩目当てであるのは暗黙の了解と言うヤツだ。
女主人ほどでは無いにしろ、彼女の詩もそれなりに観客を引き込んでいる。
俺もそのうちの一人だ。

謳い終わった後の、満場からの割れんばかりの拍手。
そして、賞賛の声。
そのどれもが、彼女を褒め称えるものであった。
これが、彼女に更なる自信を与えるものであろう。