【さぽている育成日記】それはちょっと……

「父上、父上〜。ちょっときてぇ〜」
隣の部屋から、はしゃぐ彼女の声がする。
やれやれ、この度の我が家の姫様はどのようなご用件なのかね。
そう思い、隣の部屋に入った俺は思わず目を見張った。
「へへぇ〜いいでしょう〜」
甘ったるい声で、しかも上目使いで俺を見てくる彼女の姿は……。
「『こんいろの水着』といって、男の人ならぐっと来るんだって♪」
こっぱずかしい姿でした……。
「えと、どうかなぁ?」
彼女は、うっすらと上気した顔でオレにその服(?)の感想を聞いてくる。
ゴホンと咳払いをしつつ、オレは
「とりあえず、何時もの服に着替えなさい」
ビシャリと言い放った。
「えぇ〜なんでぇ〜」
不満げに言って来るが
「なんでじゃない。今後、プールに行く時以外はそれを着るのは禁止」
と、言ってやる。
彼女は不承不承でそれに従った。
……まったく……。
少しは、恥じらいというものを身に付けて欲しいものだ……。
もしオレ以外の誰かが、ああいうのを見たら何をするか分からないしな。
そこのところを含めて注意してやる事にしよう。