【さぽている育成日記】娘に弄ばれる

ある日の事。
夜の食事の準備中での事。
久々に肉じゃがでも作ろうと思い、ジャガイモの皮を包丁で丁寧にむいていたとき
「父上ぇ〜、見て見て、新しい服つくったよぉ〜っ!!」
と大はしゃぎで物凄く喜んでいる声をあげつつこちらに駆け寄ってくる。
やれやれと思い苦笑しつつ彼女の方を振り向く。
彼女の姿を目にした途端、我が目を疑った。
ジャガイモが手から落ちた。
包丁が手から落ちた。
そして時が止まった。
…………
………
……

「えへへぇ、スプラッシュといって、今はやりの水着なんだよぉ〜……って、父上聞いてるのかな?」
はにかみながら上目遣いで俺を見やる彼女の姿格好は、生まれたままの姿に申し訳程度の布をつけた格好という実にいやらしい……いやいや、実にケシカラン格好をしてました。
「ねぇねぇ、どうかなぁ?」
腕に抱きついて聞いてきたところで、我に返り
「いや、どうもなにも……」
胡乱げに目を彷徨いさせつつ、咳払いを一つ。
「とにかく、女の子がむやみに肌を晒しちゃいけません」といって羽織っていた羽織を彼女の肩にかけてやった。
「むぅ〜、何で感想言ってくれないかなぁ〜」
彼女は不満げに頬を膨らませる。
「いや、似合ってるとは思うが、その格好は頂けない。その、なんだ……。インストールポイントも、晒してるし……」
「ん〜……。父上にだけなら見せてもいいんだけど」
頬を赤らめさせながら俺を見つめながら彼女がそういうので、俺は照れ隠しに視線を逸らしつつ
「それでも、ダメだ。女の子なら恥じらいを覚えてくれ」
といってやるのが、精一杯だった。
そんな、俺の姿を見て忍び笑いを溢しつつ
「ちぇっ、残念」
そんな台詞を残して彼女は、自分の部屋へと戻っていった。
一体何が残念なんだ……。


その数日後。
食事後の皿洗いをやっていた時の事。
「父上ぇ〜、見て見て、新しい服つくったよぉ〜っ!!」
と大はしゃぎで物凄く喜んでいる声をあげつつこちらに駆け寄ってくる。
やれやれと思い苦笑しつつ彼女の方を振り向く。
彼女の姿を目にした途端、我が目を疑った。
皿洗いが手から落ちた。
皿が手から落ちた。
そして時が止まった。
…………
………
……

「えへへぇ、バブルパッションといって……って、父上聞いてるのかな?」
はにかみながら上目遣いで俺を見やる彼女の姿格好は、風呂上りにバスタオルを巻いただけという実にいやらしい……いやいや、実にケシカラン格好をしてました。
「ねぇねぇ、どうかなぁ?」
腕に抱きついて聞いてきた。
その笑顔はどう見ても、俺をからかって遊んでるようにしか見えません。
ひょっとして、俺遊ばれてますか?